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東京都品川区の小児科医区議会議員が、小児科外来最前線からみた品川の小児医療、子育て支援について語ります。
 9月23日、平成28年度第3回定例会で一般質問を行いました。

 今回は①感染症対策について、②健康施策について、③教育について、④子育て支援施策について、質問を行いました。

①感染症対策は、ワクチン関係では、B型ワクチンの救済措置について、ロタウイルスワクチン半額助成の進捗状況について、日本脳炎ワクチンの生後6か月からの定期接種について、感染症関係では、麻疹対策について、MRワクチンの勧奨、20歳からの健診と風疹麻疹対策、麻疹疑い患者が医療機関を受診しないよう周知する広報について、蚊媒介感染症に対する、品川区の防蚊対策について、質問しました。

②健康施策についてでは、成人眼科検診について、質問しました。

③教育については、品川区の自殺予防教育についてと読書推進活動について、質問しました。 

④子育て支援施策については、病児保育増設と子育て応援券の発券について、要望しました。

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 詳しい内容は、左リンクから質問文全文をお読みください。

 ところが、2016年8月ごろから、麻疹の報告が増え始め、関空、千葉県幕張のコンサート、保育園、医療機関などから集団感染の報告が相次いでいます。しかも、麻疹をまき散らしている感染者は今回もワクチン未接種が多く、報道で取り上げられるに従い、ワクチン接種の希望者が各地で増加しています。しかし、麻疹ワクチンはすでになくなり、MRワクチンも十分供給されない地区も出てきている状況のようです。

 最後の質疑応答で、私から岡部先生に、品川区の麻疹対策について、ワクチンの供給が滞っている状況で、やはりMR1期、MR2期の子どものワクチン接種を最優先に考えるべきか、質問しました。
 岡部先生のご回答は、麻疹の抗体を持っていない、また発病すると重症化する危険の強い子どもを優先すべきというお返事でした。

 9月15日(木)、荏原医師会館で「ウイルス感染症 昔と今、そして未来への展望 前編」という研修会が開催されたので、参加しました。講師は、川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長で、①デング熱、ジカ熱などの蚊媒介性疾患について、②子宮頸がんワクチンの今後について、③麻疹の流行について、お話されました。

 岡部先生は国立感染症研究所感染症情報センター長を長年務めてきた、高名の感染症の専門家で、今後の品川区の感染症対策についてもご意見を伺おうと思い、講演を傾聴しました。

 岡部先生は、①デング熱、ジカ熱などの蚊媒介性疾患については、デング熱が大きな流行になることはない。ジカ熱はフロリダなど一部の地域を除けば、流行は沈静化してきている。ジカ熱の先天性異常をきたす率は1%であり(風疹は38~100%)、日本で感染妊婦から小頭症の赤ちゃんが生まれる可能性はほとんどない。蚊媒介感染症対策で大切なのは、蚊に刺されないことと強調されました。

 ②子宮頸がんワクチンの今後について、岡部先生はHPVワクチンに対するWHOのposition paper(2014.10月)、Global Advisory Committee on Vaccine Safety Meeting(2015.12月)、デンマークの400万人の女性のHPVワクチンの安全性の検討など、国際的評価について解説され、今後の課題についてお話されました。

 ③最後に、現在の麻疹の流行について。
 我が国は麻疹対策の遅れにより、「麻疹輸出国」などと国際的に馬鹿にされ、長年、物笑いの種とされてきました。しかし、その惨状に危機意識を持った、各地の医療機関、検査機関、研究機関、保健行政機関、教育機関、ワクチン製造・販売機関、報道機関、良識ある保護者の方々など、心ある多くの有志の懸命の努力によって、ワクチン接種率が向上し、2015年3月ついに麻疹排除がWHOにより、国際的に認定されたのでした。