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東京都品川区の小児科医区議会議員が、小児科外来最前線からみた品川の小児医療、子育て支援について語ります。
 9月20日(土)、東京都市ヶ谷で開かれた東京保険医協会の予防接種講習会に参加しました。

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 国立感染症研究所感染症情報センター長だった、岡部信彦川崎市健康安全研究所長による、「インフルエンザ・予防接種などに関する最近のトピックス」、「子宮頚がんワクチン接種後にみられた疼痛等と積極的勧奨中止の経緯」と、厚労省対策研究事業痛みセンター連絡協代表の牛田享宏愛知医大教授による、「難治性痛みを有する患者の分析と対応」の全3題の講演を聴きました。

 痛みのメカニズム、難治性の痛みに対する対処について、理解を深めることができました。また、患者に寄り添い、本当に苦しむ患者さんに対する支援には、どのような条件が必要なのか、さらに検討しなければならないと感じました。

 9月16日(火)に厚生委員会が開かれました。今回は①品川児童学園の改築についてと②水痘、肺炎球菌ワクチンの定期接種化について、審査を行いました。

 ①の児童学園の改築については、建物の老朽化が進んでいるため改築し、合わせて障害者の高齢化、重度化にも対応した障害者に対する総合的、継続的な支援施設として整備を行いたいと、障害者福祉課長から説明がありました。

 ②の水痘ワクチン、肺炎球菌ワクチンの定期接種化については、水痘ワクチンの1~2歳の定期接種と3~4歳の経過措置についての説明と、成人用肺炎球菌ワクチンの65歳から5歳刻みの定期接種と100歳以上の高齢者の経過措置についての説明が、保健予防課長からありました。

 私は水痘ワクチンについては、来年の3月までの経過措置の対象になる、お子さまのご家族に対する広報を徹底させることと、肺炎球菌定期接種の対象のワクチンにプレベナー13も加えるよう、要望を行いました。

 その後、北海道の行政視察の報告会を、厚生委員会の議員と健康福祉事業部長で行いました。

 8月30日(土)、8月31日(日)に大阪市で開かれた、第24回外来小児科学会に参加しました。盛りだくさんの学会で、アレルギーやワクチンなど、さまざまな小児医療の発表や講演を聞いて、大いに刺激を受けましたが、8月30日に「子ども・家族と医療をつなぐ-当事者から学ぼう、いのち輝く医療-」のミニシンポジウムに参加しました。



 このシンポは、先天性トキソプラズマ&サイトメガロウイルス感染症患者会「トーチの会」、細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会、風疹をなくそう会「hand in hand」、つばめの会(摂食・嚥下に問題のある小児の親の会)、知ろう小児医療守ろう子ども達の会、ポリオの会、胆道閉鎖症・乳幼児肝疾患 母の会 肝ったママ’s、児童虐待防止全国ネットワーク、アレルギー児を支える全国ネット「アラジーポット」の9団体が参加し、まず各団体の代表の方が簡単な患者の現状と会の活動報告を行いました。その後、フロアを交えて討論が行われました。

 私が応援している団体もあり、代表が当クリニックの講演会に参加してくださった団体も登壇されました。いろいろな病気の当事者の方々から、生々しい現場の声を聞いて、小児科医として、そして区議会議員として、自分でできる医療の実践と患者のための施策の実現にもっとがんばらなければならない、と痛切に感じました。

 9月4日(木)は雨の降る中、札幌市から千歳市にJR快速エアポート電車で移動し、千歳市こども通園センターを見学しました。



 まず、センター長の臨床発達心理士・言語聴覚士の方から、説明を受けました。
 千歳市はもともと自衛隊の基地があり、人口比で若年層が多かったそうです。それもあり、「子育てするなら千歳市」という標語をかかげているのだそうです。

 また、千歳市の元福祉事務所長が、障害児の早期療育は市の単独事業としてでも行うべきだという、極めて先進的な考えの持ち主で、千歳市の療育体制整備にはこの方の功績が大きかったということでした。



 千歳市のこども通園センターは、千歳市内の発達の遅れや弱さを持つ子どもたちや保護者への支援を、センター内で完結できるよう、「こども発達相談室」「指定障害児相談支援事業」「児童発達支援事業」「多機能型支援事業」などを立ち上げ、多職種の専門家がチームでかかわれる施設を目指しているとのことでした。

 千歳市では、個別教育支援計画として、通称「イエローファイル」と呼ばれている、こどもの成長応援ノートを作っています。このファイルには、そのお子さまの幼少時の記録、発達支援計画などさまざまな情報が記載されており、保護者が保育園、幼稚園、小学校などに持参し、情報の共有化をはかり、よりよい教育支援をめざすのだそうです。

 これはとてもよい取り組みで、品川区でも活用できないか、検討すべきだと思いました。

 9/3(水)は都市間高速バスあさひかわ号で旭川市から札幌市まで移動しました。到着後、まず札幌市役所を訪れ、厚別区の「あつべつ箱ものプロジェクト」の事業について、説明を受けました。何と市役所の前には、あの札幌時計台がありました(記念の写真)。



 北海道でも高齢化は進んでいますが、札幌市のみ高齢者数は増加しており、他の地域はすでに高齢者数は減少に転じているというお話でした。

 「あつべつ箱ものプロジェクト」とは、高齢化の進む札幌市の厚別区において、そこに住む高齢者が入院して自宅に帰ってきてからも、不安なく過ごせるよう、地域における医療介護職が相互理解と連携を深めるためのプロジェクト、なのだそうです。

 厚別区を大きな箱(空間的実態的な場)に見立てて、同じ空間の中で医療職、介護職がみんなで協力しよう!という思いが込められた命名なのだということでした。

 医療・介護連携は社会福祉士などの福祉専門職が中心になって、認知症、介護に関して事例検討会なども積極的に行い、病院職員と介護職員が「顔の見える連携」になるよう、合同勉強会も行ったり、「在宅情報提供書」を作成して、連携したりしているのだそうです。

 過去の厚生委員会の視察でも、地域における医療介護の連携についてはいろいろな先進的取り組みを見てきましたが、この地域では福祉の専門職の方が事業を牽引されているようで、お話を聞いていろいろと勉強になりました。



 午後は札幌市西区の知的障害者アートギャラリーである、「ともにアートギャラリー」を訪問しました。たくさんの障害者の方の絵がかざられた、きれいで小さなギャラリーでした。

 そもそもここは、染料会社の社長が篤志家で、自分の会社に知的障害者のための作業所を設けたのが嚆矢なのだそうです。その後、通所施設を運営しながら、障害児のお子さんを持つ銅版画家のご協力をいただき、障害者のための創作活動のプログラムを実施している、というお話を副施設長の方からうかがいました。



 掲げられている絵画もすばらしかったですが、この社長さんの生き方にも感動しました。世の中には、人ばかりを頼りにして、「○○は××に○○してやれ」と自分はいっさい手を汚さず、自腹を切ることもせず、要求ばかりする人も多いようですが、この社長のようにもくもくと社会貢献されている人には、こころから拍手を送りたいと思いました。